【講師の技】受講者をゴールへ先導せよ!行動変容

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受講者の行動に変化が表れてこそが研修のゴール

研修を受けたけど、結局その後どう活かすかわからない」「せっかく時間をかけたのに、現場で使えない」。こんな風に思ったことはありませんか?

実は、研修の本当のゴールは受講者が研修で知ったことを実際の業務で行動し、そして成果をだすところにはあります。

私たちが目指すべきなのは、受講者に「おっ、これ使える!」「早く試してみたい!」と思わせモチベーションを高めた状態にする必要があります。

そして、本当に実践して、成果をだしてもらう。

ここをゴールに設定しましょう。

「実践するのは本人次第」は間違い

「受講者は大人だから、現場に戻って講義で得たことを実践するかどうかは本人次第」と思っていませんか?
何度も言いますが「教える」だけが講師の役割ではありません。

研修や講義の時間内で「知識やスキル」を習得し、自信を持っていただき、「現場で実践してみたい」という感情にさせるところまでが役割です。

知識やスキルは研修の時間内に定着させる

講義中にただ知識を伝えるだけではなく、受講者がその知識やスキルをしっかりと理解し、自信を持って現場で実践できるようにすることが大切です。

「テキストに書いてあります、自宅でも勉強してください」
「会社に戻ってから、テキストを見ながら実践してみてくださいね」

資料を渡したからという「言い訳」をする講師の方がたくさんいらっしゃいます。もちろん、テキストを渡して「見直せる環境」を受講者に持たせるのは重要です。
しかし、それに頼り切って「講義中は、超特急で進みます。あとで、テキストをゆっくり見てください」という講義では、家に持ち帰ってゆっくり勉強する受講者は少ないです。

結果、受講者の大切な時間を「奪う」講義となってしまいます。

研修の時間内で、ワークショップ形式やロールプレイなど、受講者が実際に体験しながら学べる実践的な場を設けることが有効です。そこでの成功体験が、「現場でも実践してみよう」に繋がるのです。

時間がないから、やり方だけ教えて、その場でやらない。これはNGです!

モチベーションを高める

受講者が「この知識は役に立つ!現場で試してみたい!」と感じるように、学んだ内容の有益性や現場での活用法を具体的に示すことが重要です。

テキストには書けない、講師自らの体験談・失敗談、今回の講義内容を実践したときに得たメリットをリアルに自己開示し受講者に伝えましょう。

このように、テキストにない講師の成功事例や応用例を交えることで、受講者が得た知識に対するモチベーションは遥かに高まります。

テキストにない体験談は、講師用テキストにのみメモで「○○を話す」と記しておきましょう。

フィードバックを提供する

研修中に受講者が取り組んだ実践的な課題に対してフィードバックを行い、強みや改善点を指摘することで、自信を持たせます。

セミナー内で行った受講生が行った、ロールプレイやグループ演習の仮想体験に対するフィードバックを確実に行う。

何が良かったのか、どこを修正するべきなのか。

これを知ることによって、受講者の「現場で試してみる」という壁が低くなっていきます。

フィードバックを繰り返し、「いいね!OK」となるまで練習や体験ができれば、その受講者は絶対現場で実践します。
実際の研修では、そこまで時間はないのですが、1回はフィードバックして再度実行して改善してみるという流れを組んでみてください。

現場での実践を支援する環境作り

企業研修であれば、研修後も受講者が現場で学んだことを継続して実践できるよう、フォローアップの機会を提供することも有効です。

受講者の上司と「結託」して、実践の場を用意してみる。
メールや定期的なやり取りをして、実践する行動を促す。
実践した結果を、受講者とフィードバックの場を設けて改善する

受講者が継続的に学びを実践しやすくなるよう、研修後も計画に入れましょう。

感情的な共感とサポート

講師として受講者の不安や疑問に共感し、サポートする姿勢が大切です。
「教官より共感する」が最高の講師です。

講師は単に知識を教える役割だけではなく、受講者がその知識を活用できるよう感情面でのサポートも求められます。

受講者に対して、なぜ自身がないのか不安を聞き共感し、不安につながる本当の心を聴き取り、講義のノウハウを用いると本当の不安が安らぐことを説明し、実施してみようという気持ちを持ってもらい、自信を得ていただく。

丁寧な個への対応、自分も心で対応するという環境が、受講者の感情を動かし、そして、行動に繋げます。

みなさん、「感動」を与えて「行動」を促す講師を目指してみましょう。